手をにぎる
朝、下駄箱に行くと、昨日書いたあの“坊や”に会う。
寒さで手を真っ赤にして。
手袋してこなかったの?と聞くと、今朝の雨で濡れちゃうから手袋はしてこなかったと。
彼の手をにぎると冷え冷え。
握ったまま一緒に教室まで行く。
言葉はかけなかったけど、昨日は元気をくれてありがとうという思いで、真っ赤な手を握って。
私は決まって朝出会う子には「朝ごはん食べた?」と聞く。どんな子でも答えてくれる。答えはいろいろだけど、返事してくれる。それで、その坊やにも聞く。
「今日ね、寝坊しちゃって、ご飯が食べたかったけどパンにしたの。ご飯たべれなかったけれどまぁいいかできたの」
小さい体のあの子が少しずつ、折り合いをつけて現実を受け入れている。今日もまた、じわじわくる。
『それで、寝坊って何時に起きたの』なんで聞くと「6時半!」
・・・うぉい!(笑)
小さい寒さで真っ赤になった手は、元気よく離れていった。
今日も彼に元気付けられる。
私は彼のファンなのかもしれない。笑